ブラッドハーレーの馬車の感想

ブラッドハーレー聖公女歌劇団。その歌劇団の歌姫にあこがれ、ブラッドハーレー家の養女となった娘たちの末路の話です。陰惨な話が多いのですが、沙村広明さんが描く絵にグググっと引き込まれて時間を忘れて読んでしまいます。

感想

ケノコが実際に漫画を全話全巻最終話まで読んで感想をまとめています。あらすじ(ストーリー)や考察もあります。感想にはネタバレを含む場合があります。

1話 見返り峠の小唄坂

ウィンドウィローズ孤児院のダイアナ・フォードの話でした。実は聖公女歌劇団で歌姫として舞台に上がれるのはほんの一握り。それ以外の少女はパスカの羊として囚人たちの生贄になるのだ、という話。沙村広明作品が好きで読み始めた時に、一番衝撃を受けたエピソードでもあります。無限の住人なんかの苛烈さとはまた違うんですよね。複雑な感情をかき回されます。

パスカの羊について

パスカの祭り、パスカの羊、1.14計画案など世界観が作りこまれ過ぎてて、これらが現実なのではないかと、実際の歴史や事件を調べてみたのですが見つかりませんでした。ヒツジはいわゆる哀れな羊stray sheepの事だと思うのですがpasca や sheep of Pasca といった単語でも何も出てこないのでおそらくこれは沙村広明さんの造語だと思います。

2話 友達

今回の少女はステラ・コーコラン。「パティの家」という孤児院からカージフ刑務所に連れてこられて3日目です。このステラも、かなり凄惨な目に遭います。とくに、目玉を取り出されたシーンは泣いてしまいました😢。隣人で親友(一年前にパスカの羊となった)のプリシラを残し、7日目にこと切れた彼女ですが、運び出されるシーンでは彼女が角部屋であったことが分かります😭

3話 ある追憶

ジョナスの追憶という形で語られるフィリパ・ベスツェリという少女の話。フィリパ・ベスツェリは道の辺(みちのべ)と呼ばれる小さな孤児院の孤児だった。なんとフィリパはパスカの羊ではなく歌劇団の歌姫となることに成功する。これ読んだとき本当によかったね!と幸せだね!と思いました😭ところがなんとデビューの直前でフィリパ足に怪我をし舞台に立てなくなってしまう。その後、療養に向かった彼女の姿を見ることは出来なかった

3話目の考察

おそらくなのだけど足に怪我をし舞台に立てなくなったフィリパを、ブラッドハーレー側はパスカの羊にしたのだろう。足を怪我した彼女は囚人に対して抵抗もできず都合が良かったのでしょう。本当に胸糞🤢

4話

囚人側の視点で語られる物語です。ちょっと前のエピソードで気になったヘンズレーの暴動についても語られます。どうやら囚人・看守合わせて37人が死亡した暴動事件だったようです。史実(実話)かと思って調べてみましたがそのような事件はない模様。そして前3話で十分に痛めつけられた読者をさらにどん底に落とす展開があります。パスカの羊が・・囚人の娘だった?あとの展開は御想像にお任せしますが、親にとってこれほどひどい展開はないでしょうね😱

5話 絆

同じ孤児院の親友であるルビー・スペンサーとジェンのお話。一人が死に、一人はブラッドハーレーの馬車に乗ります。絶対に抜け出せないとわかっていつつも、もしかしたら、もしかしたら、そう思って期待する読者を見事に打ち砕いてくれる作品です

6話 澱覆う銀

可愛そうなパスカの羊に同情し、脱走させようとした看守の末路

7話 鳥は消えた

地獄への道は善意で舗装されている、というヨーロッパのことわざがありますがそれを地で行く展開ですね。ブラッドハーレーの馬車はオムニバス形式で語られるので、ブラッドハーレーというバックボーンは同じでありながら、決して交わるの事のないエピソードとなっています。それを知っていてもなお、この話の続編だけは決して見たくないです。

8話 馬車と飛行船

最終回の主人公はコーデリアです。誰?と思った方は1話目を読んでいただければと。孤児院のみんながダイアナに別れを告げる際に「来年はあんたの番だからね、コーデリア」と言われているショートカットの少女がいます。そう、このコです。

また最終的に1917年に1.14計画が廃止され、それから25年後にブラッドハーレー系に戦闘機が墜落し、当主と、26女のカザリン、37女のサンザが死亡します。このカザリンは、3話目や7話目にも登場していますので、1.14計画がなくなってもなお、館を離れた歌姫が恐ろしい目に遭うと思い離れられなかったのかもしれません。ストックホルム症候群のような。

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